/ Diary

珍しく会社の事務処理ネタを書いてみます。

会社における事務処理の中で公的なものといえば、税金(各種法人税、各種個人税)、社会保険(厚生年金、健康保険)、労働保険などがあり、それぞれについて様々な手続きがありますが、ここに挙げたものについては全て電子申請、すなわちインターネットを介しての手続きが可能となっています。
具体的にはe-Gove-TaxeLTAXといったWebサービスやデスクトップアプリを利用します。
これらはカードリーダーと電子証明書を用意すれば利用可能なので、ある程度PC操作ができる人ならば利用すること自体は実はそれほど敷居は高くありません。
むしろ膨大に存在する手続きの種類や申請書の数に目眩がしてしまってくじけるパターンのほうが多いかもしれません。
一応、ソフトウェア開発者としての意地というか単に手書きが嫌いというのもあって会社設立当初から利用しているわけですが、所詮は紙の代わりにネットを使うだけの話なので、記入する内容さえ分かればアプリ自体にさしたる問題はありません。
むしろ総務的な知識不足により「記入する内容」の意味不明さのほうが問題だったりするわけで、その辺をサポートするような親切なガイドでも付いていれば嬉しいのですが、基本的にはその筋のプロである税理士や社会保険労務士が使うことを想定しているのか、素人でも分かるようには作られていないのが残念。
まぁ、単純な計算ミスなどはチェックしてくれたりもするので、まっさらの定型紙におもむろに書くより少しはマシ、といった印象。
唯一、e-Taxのダイレクト納税機能だけはオンラインバンク契約をしていなくてもネットから即時振込できるので便利といえば便利です。(ただし、税務署への利用申請が別途必要)
それにしても、税金にしても各種保険にしても自分で弾きだした金額をお上に振り込むというのはなかなかシュールだな、と毎回思ったりします。
会社員の場合は自分で税金やら保険料を計算するシーンはほとんどありませんから。

そんなこんなで、かれこれ4年ほど利用している電子申請なのですが、2012年末に一度、年金事務所の電算センターのようなところから会社に電話がかかってきました。
一体何の用事かと思ったら、「e-Govで手続きした賞与支払届の電子証明書が法人用のものではないので受け付けられない」とのこと。
それまでは代表者個人の住民基本台帳カードを電子証明書として利用しており、普通に受け付けられていたのですが、実はこれはNGだったという話。
よくよく話を聞くと、会社の代表者が直接e-Govから申請してくるパターンは極端に少ないらしく、今まで見逃してしまっていたということらしい。
法人用の電子証明書の取得には安いところでも年間8000円程度かかりますので、年に数回の手続きのためだけに取得する零細企業は皆無でしょう。(ちなみに個人の住基カードに対して電子証明書を設定する場合は3年ごとに500円)
事実上、零細企業は電子申請を使えない、ということになるのですが、常日頃電子申請の利用を推奨している一方で、この所業にはさすがに呆れるしかありません。
このときは少しゴネたら今回だけは受け付けるということになったのですが、その後はしっかり弾かれるようになってしまい、年金事務所の手続きだけは書面で行わざるをえない状況になってしまいました。
税務署をはじめ、同じ厚労省の管轄である雇用保険の申告などは住基カードでも問題ないのに、日本年金機構が絡む手続きだけは不可という理不尽な状況に納得できず、厚労省の国民の声に投書してみたりもしましたが、「検討します」の返信があった以降は音沙汰なし…
それから一年半ほど経った今年1月、ついに住基カードも証明書として利用できるようになったというお知らせを見て、ちょっとした感慨に浸った次第。
まぁ、実は算定基礎届や賞与支払届の電子申請は少し面倒(専用アプリで書類作成が必要)だったりするので、証明書云々以前に電子申請のメリットはあまり感じられないかもしれません。

いまさらシステム刷新するような経済的余裕はないだろうし、仮に作り直したところで手続き自体の本質的な難しさは変わらないと思いますので、おそらくどこまでいっても電子申請の利用者は増えないと思いますが、「手書きしなくて良い」というただ一点にこだわって、個人的には今後も利用していきたいと思いますw



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。